ホットヨガは邪道か【1番危険なのは始祖だった!】

記事更新日: 2021/09/30

ライター: ちーな

大手ホットヨガスタジオLAVAなどを筆頭に、全国にホットヨガ専門のスタジオが出来るなど、今や知らない人はいないというほど「ホットヨガ」はメジャーなものとなっています

 

でも、ホットヨガは邪道だって意見もあるけど...。

ヨガをしている人からすると「ホットヨガは集中力が低下する」「体力が落ちるし危険」などという声もあります。

しかし実際のところはどうなのでしょうか!?

そこで今回は、現役でヨガのインストラクターをされている伊藤さんにお話を伺ってみました。

ヨガインストラクターの伊藤さん(仮名)

20代でヨガをはじめ、ヨガ歴は15年。
現在フリーのインストラクターとして活躍中。

ちーな

伊藤さん、今日はよろしくお願いします!

伊藤さん

はい、お願いします!

ヨガの歴史

ちーな

まずは、ホットヨガの元となる「ヨガ」の歴史を見てみよう!

ヨガの誕生はインドのインダス文明

ヨガの歴史は古く、紀元前2500年インダス文明の頃には存在していたと言われています。

ちーな

インダス文明といえば、巨大な都市遺跡、世界遺産の「モヘンジョ=ダロ」が有名だよね!

遺跡から、ヨガで瞑想しているような姿が描かれていたことから、その頃が起源とされています。

ちーな

ヨガの語源が「つなぐ・結ぶ」という意味で、サンスクリット語のユジュ(yoj)から派生したんだって。

その後、長い年月をかけて発展を繰り返し、これまでのヨガの思想をまとめた文献「ヨガスートラ」が成立しました。

その中に記されているアシュカンダ=八支則(はっしそく)がヨガの考え方の基本となっています。

【八支則】
8つの段階や方法のことで、ヤマ(禁戒)、ニヤマ(歓戒)、アーサナ(坐法)、プラーナヤーマ(呼吸法)、プラティヤハーラ(感覚制御)、ダーラナ(精神統一)、ディアナ(瞑想)、サマーディ(悟り)の8つ

8つの中でもヤマ(禁戒)、ニヤマ(歓戒)の実践が難しいとされていて、日常生活での行いを、それぞれ5つずつの心得が記されています。

ちーな

ヤマ(禁戒)は、嘘をつかないなど「行なってはいけないこと」で、ニヤマ(歓戒)は、常に今の状況に満足するなど「実践すべき心得」だよ。

その後もヨガは発展していき、12〜13世紀頃から、呼吸法とポーズを中心とした「ハタ・ヨガ」が誕生しました。

伊藤さん

このハタ・ヨガがいま世界に広がっているヨガの原型となっています。

ハタヨガは、サンスクリット語で「ハ(ha)=太陽」と「タ(tha)=月」。

太陽と月、陽と陰、精神性と生命力のように、対として存在するもの同士を結び付け、調和させることを目的とします。

ハタヨガはポーズや呼吸法が心や体を動かす原動力であるという考えのもとに誕生したヨガであり、ポーズと呼吸法に重点を置くことで、集中力や自己の内面への意識を高めることができると考えられています。  引用元:CALDO公式サイトより抜粋

▼ヨガの歴史
  • 紀元前2500年、インダス文明の遺跡に描かれていた
  • 呼吸法とポーズを中心とした「ハタ・ヨガ」が誕生
  • ハタ・ヨガがいま広まっているヨガの原型。

 

ホットヨガの歴史

ちーな

次はホットヨガの歴史をみてみよう!ある一説が有力な情報としてあるよ!

ホットヨガの誕生は、いまから50年ほど前。
インド生まれのヨガの先生、ビクラム・チョードリー先生が、あるスタジオでヨガを教えていたときのことです.....。

「スタジオがとっても寒い!これではヨガに集中できない!」と感じた生徒たちが、小さな暖房器具を持ってきたところ、スタジオ内全体が暖かく、ポーズが取りやすくなり、汗もたくさんかくようになりました。

これはいい!と思ったビクラム・チョードリー先生、高温で汗だくになりながら行うヨガを取り入れるようになったのが「ホットヨガ」のはじまりといわれています。

伊藤さん

もともとヨガはインドの高温多湿な気候の中行っていたので、インドの環境に近づけたという人もいます。

独特の設備と指導方法で行うホットヨガは、ダイエットやデトックス、ストレス解消に良いとして、モデルや女優、スポーツ選手など多くの著名人がホットヨガを実践したことから、またたく間に世界に広がっていきました。

ちーな

日本では2000年代に、ホットヨガ専門のスタジオ「LAVA(ラバ)」がオープン!

次いで「カルド」、2010年代には、スポーツジムでもホットヨガを相次いで導入し、ホットヨガブームとなりました。

▼ホットヨガの歴史
  • 今から50年ほど前の1970年代に誕生
  • ハタヨガをベースに、高温環境のなかヨガを行う
  • ヨガ講師ビクラム・チョードリー氏が発展させた

 

1番危険なのは教祖

余談として....

ホットヨガの生みの親ビクラム氏、のちにセクハラ訴訟やパワハラ訴訟により、裁判で敗訴して、多額の賠償金を命じられました。

2019年に「ビクラムの正体: ヨガ、教祖、プレデター」というドキュメンタリー映画が出されているほど、ホットヨガの知名度の高さがうかがえますが、内容は非常に衝撃的かつ不快です....。

掲載元:NETFLIX

ちーな

これは、あんまり知りたくない情報だったかもしれない。

しかし、ホットヨガに罪はありません。

 

ホットヨガは邪道!?

ホットヨガの誕生はヨガの歴史に比べたら浅いですが、邪道とまで言われる理由は何なのでしょうか。

ちーな

ホットヨガはヨガにあらず!という意見もあります。ナゼなんでしょう?

伊藤さん

ヨガはもともと瞑想が中心で、本来の目的は心と体を結んで安定した心身を得ることなんです。

 

集中力の低下

ヨガは心と体を結びつける修行法として生まれたのがはじまりで、ポースを意識するというよりは、瞑想に重きを置いていました。

なので、現代のポーズを主流とした、ダイエットや美容のために行うホットヨガが受け入れがたいという意見の人もいます。

伊藤さん

そして「ホットヨガは暑さで瞑想どころではなく、集中できない」という意見があります。

集中できないのは、呼吸のしづらさが要因で、ホットヨガのスタジオは、人工的に高温多湿の環境にしています。

ポーズが取りやすい、汗をかきやすいという反面、暑さで息があがりやすく、呼吸を深めるのが難しいです。

伊藤さん

息を整えにくいと、どうしても集中力の低下に繋がってしまいますからね。

 

ホットヨガは危険!?

熱中症、心筋梗塞、脳梗塞、ホルモンバランスの乱れ...などなど。

ちーな

危険性を問うお医者さんの意見もありました。

高温多湿の環境下なので、当然そのような危険はあります。

伊藤さん

けれど、そもそも無理して続ける必要はないですからね。

伊藤さん

水分をマメにとったり、休憩したり、辛くなったらスタジオを出るなど、常にインストラクターも注意はしてます。

ホットヨガに限ってのことではないですが、限界を超えてまで行うのは怪我や病気のもとです。

無理して続行せず、休憩をとるなどして行うようにしましょう。

 

体力の低下

ちーな

「ホットヨガは逆に体力が落ちてしまう」という意見についてはどうですか!?

伊藤さん

これは、実体験なのですが。

普段、常温でのヨガの講師をしているのですが、機会があって何ヶ月かホットヨガの講師を務めました。そして、久しぶりに以前の常温のヨガをしたら、最後までポーズをこなせなかったんです。

ちーな

高温多湿で息がしづらいとなると、常温よりも過酷で体力がつきそうですけど....?

ホットヨガは高温多湿の環境なので、スタジオ内の暑さで、すでに体力を消耗します。

なので、その分常温の環境下で行うヨガよりも、負荷を減らしたポーズやプログラム内容になり、筋力アップには繋がっていなかったのが要因のようでした。

伊藤さん

また、先程もあった深い呼吸ができない事も、ポーズの持続に影響したようです。

 

結論は....?

ちーな

ずばり!伊藤さんからみてホットヨガは邪道でしょうか!?

伊藤さん

わたし自身、ヨガを始めたのは、実はホットヨガからなんです。

今は常温でのヨガの奥深さに魅力を感じていますが、ヨガの導入部分として、つまり始めやすさとしてホットヨガは良いのではないかと思っています。

日本でも大流行のホットヨガは、スタジオ数もたくさんあり、通いやすさ、料金の安さなど、最初にホットヨガから始める方も多いと思います。

伊藤さん

今では、ヨガとホットヨガは全く別のものかな、と感じています。

要は、その人の目的によると言う伊藤さん。

  • 深い呼吸と瞑想で心身の統合を大事にするようなヨガ
  • たくさん汗をかいて、リフレッシュできるフィットネス要素のあるホットヨガ

ちーな

個人の体質や好みもありますからね。そんなに深く考えなくていいのかな!

伊藤さん

そうですね、ヨガ仲間として、ヨガをはじめる人が増えるのは嬉しいですしね!

ホットヨガは邪道という意見もありますが、伊藤さんのようにホットヨガを導入に世界が広がる方もいます。

これからヨガを始めるという方は、ホットヨガは始めやすいヨガでもあります。

ぜひ色々なスタジオを見て、自分に合う合わないを見てみることをオススメします。

ちーな

伊藤さん、貴重なお話ありがとうございました。

 

 

この記事を書いたライター

ちーな

女子高、女子大を卒業し航空会社に務めているうちに気づけば30も後半に。趣味は読書と映画鑑賞です。「いや、お見合いじゃないんだから」と、文面だけ見るとお嬢様のように見えなくもないですが、至って普通の社畜です。

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